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福島 空間線量が下がっても元には戻らないもの~ヨウ素129~
2015/08/19 05:20 | 原発 | C:2 | T: 0
こんにちは。
福島の避難者の方への住宅供給が打ち切りなどに関する非人道的なニュースが入ってきたり、まるで20mSvで大丈夫なようなひどい話ばかりで、恐ろしいです。
東日本では、空間線量は2011年に比べたら(少しは)下がっているのでしょう。
(私の住んでいた自治体では、空間線量率が下がったからと言って(どれくらい下がったか知らないけど)、「汚染は事故前に戻りました」と言ってしまうほど、愚かな地方自治体でした。)
だけど、今、空間線量率とか、放射性セシウムCs137、Cs134、放射性ヨウ素の中の一種であるヨウ素131などの測りやすい物しか表のデータに出てこないから、それだけじゃないんですってことを自分に言い聞かせるためにもこの記事を書きます。

この記事ではヨウ素のこと、特に放射性ヨウ素であるヨウ素129(半減期1570万年)について自分で調べたことを書きます。

【ヨウ素の昇華性】
突然ですが、ヨウ素ってものすごく昇華し易いんです。
昇華って、個体から気体になることです。

バーナーで加熱して、上に硝子ロートをかざしておくと、そこに気体になって飛んできたヨウ素がたくさん付きます。
純度を上げる操作として、やったことがあります。
本当に、すぐにイソジン色の煙になって、飛ぶんですよ。

(ヨウ素の昇華実験の動画はこちらです。https://youtu.be/CgIjB-dPRTo

【ヨウ素がはいっているものを燃やしたら揮発する】
例えば土壌の分析などで、ヨウ素が入っているものをあぶって揮発させているので、日常生活でも簡単に揮発すると予想されます。
なぜはじめにヨウ素の昇華や燃やす話をしだすかというと、最近また新たに福島第一原発の廃棄物を燃やす施設の稼働とか、施設を作るとかそういうニュースを聞くようになり、ヨウ素の中の半減期がすごく長いヨウ素129は、そういった施設を作ったせいでまた2次汚染の原因になるのでは? 近くに人をどんどん戻す政策を進めているみたいだけど、大丈夫? と、気になるのです。

半減期が長いものは、同じ個数(原子の個数)入っていても、ベクレルにするととても小さな数字になってしまう。
だから、注目されにくいけど、半減期が長いので、そこで生活している間中ずっと絶え間なく暴露されることになってしまう。

【ヨウ素同位体について】
ヨウ素の同位体は、調べるとたくさんありすぎて目が回ってしまいます。。。けど、半減期が1日以上あるものは、調べると下の通りで、129 I というのが特に長いです。(ウィキペディアより

127 I 安定同位体
129 I 半減期 1570万年
131 I 半減期 8日 

そして、飛んできたヨウ素は、十数日間大気中を気体状態、粒子状態で浮遊した後に、植物表面、土壌表面などに付着するそうです。(*1)
そして、やはり、土壌に吸着される性質があるそうです。

【ヨウ素の土壌中存在量、核実験、核施設の影響】
日本の代表的な土壌である、黒ぼく土には、平均で30ppm程度のヨウ素が含まれており、それは母材の玄武岩、安山岩より1000倍も濃縮された濃度であるそうです。
核実験や核施設から飛んできて現在も残っていると思われる、半減期の長い(1570万年)ヨウ素129は、土壌の深さ方向の分布を調べたところ、ほとんど表層付近に分布しており、十数年ぐらいではほとんど動いていないことを示しているそうです。
(参照させて頂いた資料→ http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~e881147/value_imenu_red_txt/%E5%8D%92%E8%AB%96%E3%83%BB%E4%BF%AE%E8%AB%96pdf/%E4%BC%8A%E8%97%A4.pdf

【ヨウ素129存在量変化】
129Iは、天然生成したものもあるけれども、その存在比はもともとはとっても少ない。
129I/127Iは、3×10^-14
それが、核実験、核エネルギー活動で、10^-8 になってしまったとある。(1978年)
yousoshizenkaidenobunpu
(*1)
10^-8 / 3×10^-14 は、だいたい 3×10^5 

人間が勝手に30万倍にしてしまったのですね。

【福島第一原発事故でのヨウ素129】

検索してみると、恐らくJAEAさんの、下の資料を公開してくださっており、画像コピーさせていただきました。


http://fukushima.jaea.go.jp/initiatives/cat01/pdf05/01-appendix4-1.pdf
fukushimajaea-appendix4-1-1

fukushimajaea-appendix4-1-2

これで大体ヨウ素129の土壌の沈着量がわかるのですが、余談で、ヨウ素131との相関はとても良いようです。

fukushimajaea-appendix4-1-3

そして、どの地点がどのくらいかというのが、地図になっていました。

fukushimajaea-appendix4-1-4

ヨウ素129は今でも上の表とほぼ変わらないと思っていいと思います。(表はヨウ素131の数字が書いてありますが、131が多い所は129も多いという目安になると思います。)

他、大熊町の梨園の土壌でヨウ素129を分析した結果を公開してくださっていたのがあったので、有難く参考にさせて頂きました。
「 I127は濃度が20~60 ppmとなり、土壌中に長期間蓄積しているので深度分布に差が見られなかった。I129/I127同位体比は1.2 × 10⁻⁸~1.0 × 10⁻⁶となり、深度の増加に伴って同位体比が減少し、明らかな深度分布が見られた。また、I129放射能濃度を算出したところ3.2 × 10⁻³~3.1 × 10⁻¹ Bq/kgとなり、3つの地点で同位体比と同様に深度の増加に伴って放射能濃度が減少する深度分布が見られた。」 とのことでした。
http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~e881147/value_imenu_red_txt/2014%E5%8D%92%E7%A0%94%E8%A6%81%E6%97%A8/saito.pdf
一番多い所では、0.31Bq/kg ということですが、大体オーダーとしては上の表と同じくらいだなあという印象でした。

また、下の文献(Geochemical Journal, Vol. 46, pp. 327 to 333, 2012)によると、福島第一原発事故前と比べて、明らかに安定ヨウ素とヨウ素129の比率が変わっているのがわかります。
http://www.terrapub.co.jp/journals/GJ/pdf/4604/46040327.pdf
下の表の地点で分析した結果だそうです。

Geochemical Journa Vol 46 pp 327 2012 Fig1


Geochemical Journa Vol 46 pp 327 2012 Fig2
上の表は129I/127Iで比べてくださっているので、大変参考になります。
まさにそこが知りたかったところでした。(この論文の主旨はヨウ素129とヨウ素131の比を出すのが目的のようですが)
上の表でとても129I/127I比が高い所が2ポイントあるけど、それは B17とB27という、福島第一原発からとても近い所にあるポイントでした。

【調べた後の私の感想】

もともと地球環境に天然にはほとんど存在していなかったヨウ素129を、1960年あたりからの核実験、核エネルギー活動で (129I/127I比率で)10^-8オーダーまで増やしてしまった。
更に2011年に原発事故があって、どれくらいの比率になったのか、というと、原発の周りでは10倍~100倍に増やしているところが多い。
全体的に見て少なくとも10倍ぐらいには増やしてしまっているところが多いように見えました。
ヨウ素は人類にとって必要不可欠の元素で、放射性同位体がほぼない状態で人間は進化して今に至っているでしょう。
もう、これ以上放射性同位体を環境中にばらまかないでほしいです!
拡散しやすい元素だし、今でも原発から出ていることもわかっていますし(https://www.nsr.go.jp/data/000085735.pdf *2) 私は、ヨウ素の中でも129だけは要注意だと思います。
そして、がれきや廃棄物を西日本などの汚染の少ない場所に持ってきて燃やしたりすれば、当然ヨウ素129も(測ることなどしないで)環境中にばらまかれてしまう。
そして、半減期が1570万年ということは、もう永久に元に戻らないといってもいいものですよね。
環境中に拡散して、長い歴史の中でやがては環境中の同位体比率を変えてしまう。

私は常日頃からICRPの内部被ばく評価は全く信用していないし、もともと内部被ばくはまだわからない点が多いと専門家の方もおっしゃっているのに、こうやって勝手にどんどんと長寿命核種で、しかも人間にとって必須な元素の放射性同位体比率を変えてしまうこと、すごく罪深いことだと思います。
しかも人間だけじゃなくて、動物にとってもヨウ素は必須元素なんですよね、勝手に変えて罪深いことです。

更に、福島で今住めないところに、空間線量が多少下がったからって人を返そうとしているのは間違っていると思います。
空間線量だけじゃわからない汚染もたくさんあると思います。


~ ♢♢♢♢♢ ~ ♢♢♢♢♢ ~ ♢♢♢♢♢ ~ ♢♢♢♢♢ ~
*1
(食品安全委員会サイト https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?
446. 第 6 回 放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ
資料種別:会議資料 開催日:2011(平成23)年6月30日 資料2: ヨウ素とりまとめ( 案)[PDF]  より「岩波理化学辞典」の画像をコピーさせていただきました。
*2
この資料の存在は、「大山弘一のブログ」さんの下の記事で知ることができました。ありがとうございました。
http://mak55.exblog.jp/20964466/


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Comment
私らが 恐れていたことが だんだんと始まってきちゃったね

この先が 恐ろしいです

冬になれば 木枯らしで たくさん
放射能汚染された 土が 舞い上がるんだよね
春になれば 春一番で また、、、

外猫たちの 腰やお尻が 痩せ干そってるのを見ると 辛いです
何が 起こってるるのかね?
言葉がわかればいいのに
2015/08/29 19:14 URL | ハレルヤ #- | 編集
ハレルヤさん

こんにちは。

> 私らが 恐れていたことが だんだんと始まってきちゃったね

北茨城市の甲状腺がんや、福島の針葉樹の異常など、恐ろしいニュースがたくさん聞こえてきますね。
うちらはもう、4年以上前に予想したことですよね。

> 外猫たちの 腰やお尻が 痩せ干そってるのを見ると 辛いです

それは気になりますね。
動物好きのハレルヤさんだからこそ、気付くこともあるでしょうね。
私は東京にいた時、鳥が好きだったので、2012年に野鳥の声がいつもと違うのがすごく気になりましたよ。
毎年聴こえていた渡ってくる鳥の声がぱったりとその年からしなくなった種類がいたりね。

本当に言葉がわかればいいのにね。
でも、言葉が無くとも、動物も人間も同じ生き物なのだから、動物だけ変化があって人間は大丈夫なんて、ありえないですよ。
2015/08/30 13:56 URL | タラの芽天ぷら #- | 編集







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