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企業の分析能力について~粒度分布~
2015/11/14 23:30 | 環境問題 | C:0 | T: 0
過去に経験したことを書いておきます。
昔、分析に関する仕事を少ししたことがあり、そのあたりの事を思い出しながら。

企業、特に製造業は自分の所の製品についての管理とかクレームに対する対応とか開発などのために、ある程度自前の分析機器を持ち、分析技術を持っています。
物を作ったり加工したりする会社は、廃液、排水その他、空気や水を汚さないように、周りの住民に気を使いながら、いろいろな排出に関して法律を守って、また住民に不安を与えないようにいろいろ努力していくのが普通の姿だと思います。
私の見た例だと、排水を池にためて、そこで魚を飼って、ほら、魚は元気でしょ!とアピールしている会社を見たことがあります。
(それが実際どの程度の意味があるかというのは別にして、気を使っているということをアピールする意思があるというのは大切なことと思います。)

企業による人工的な生産過程で周りの住民、消費者に与える「健康に悪いかもしれないと不安なもの」の一つに、粉体(粉じん)の問題が有ります。
前にもちょっと触れたけど、粉体って、扱いに結構注意を要するものなのです。
扱うときは、粉じん用のマスク〈適するもの〉をする必要があるものが多いですし、一般の人がいるような空気中に飛び散ってしまうと、人や動物が吸い込んで、喉、鼻、肺などの呼吸器、目などの粘膜に付着してしまう、室内の壁などに付くと、掃除も難しく、付いたものが後でパラパラと落ちてくる、など、大変です。
粉体(いわゆる粉)の問題は、一見関係なさそうな企業でも関係する事があり、例えば、製品に不具合があって、本来出て来てはいけない細かい粉が発生して消費者とか周りの人達が暴露されてしまう、というのがあります。

私も仕事中に、ある企業でそんなクレームがあって関係する仕事をしたことがあります。
細かいことは守秘義務があるので書きませんが、一般的と思うことを少し書いていきます。

製品とか、排気などに含まれる「粉」って、その大きさ(粒径、粒子径)がとても大切で、性質を決める大きな要素です。
で、そういう事に係っている企業は、普通、粉体の粒子径を測る機械を持っていて、製品管理などしています。

普通は、「粒度分布」として、管理しています。
たいてい粉はいろんな大きさの粒子が混ざっているので、どれくらいの大きさの粒子が、どれくらいの割合であるっていうグラフで示すのです。
下の図は、フリーハンドで私が適当に書いたものですが、こんな感じで、横軸が粒子径、縦軸が分布の割合(例えば体積の分布割合)でグラフで表します。

粒度分布グラフ例

分析機器メーカーさんのわかりやすい説明のページを紹介(リンク)させていただきます。
↓SHIMADZUさんのページ
http://www.an.shimadzu.co.jp/powder/lecture/practice/p01/lesson02.htm
(細かい用語などはここでは触れないのでご興味のある方は是非調べてみてください。)

粒度分布のグラフを見ると、大体どれくらいの粒子径のものが入っているかわかるので、そこから性質が推測できます。
どれくらい飛びやすいか、吸い込んでしまった場合など。
そして、グラフはいちばん分布割合が多い粒子径の所が山のてっぺんになるのですが、その山が一つとは限りません。
小さい方にもう一つ山がある場合など、山が複数ある場合もあります。
特に、分析方法によっては、小さい粒子がいくつか集まって塊になったりする「凝集」という現象を起こすので、山がいくつも現れたりするし、本当の粒子の大きさがグラフに現れていないこともあります。

そんなこともあって、企業はたいてい、粉体を電子顕微鏡でも分析して、元素分析などもしていると思います。
試しに「粉体 電顕」と、ググってみてください。たくさん写真が出てきますよ。

小さい粉は普通の顕微鏡〈光学顕微鏡〉ではよく見えないので、電子顕微鏡というもので見て、更にその粉の一つ一つにX線を当てて、元素分析をします。
そうすると、その一つ一つの粉がどんなものなのか、どこから来ているのかが推測できるということです。

こういう分析装置は、たいてい大きな製造業の会社は自前で持っていると思います。
企業は、もしクレームなどで粉体の分析をする必要があったら、ろ紙などにそれを採取して、速攻で分析機械にかけていると思います。
私のやっていたころは、宅急便で翌日には測定対象物が届いて、その日中には結果が出るという感じです。
粒度分布だけでしたら、早いと数分~数十分で分かります。

もし、会社の規模が従業員数千人以下でしたら、この様な色々な分析機械は持っていないかもしれません。
でも、企業というのは、縦横のつながりがあります。特に縦です。
もし千人以下の企業でも、親会社があれば、そこにかなりの分析機器がそろっており、人の交流も技術の交流もあるのです。
親会社も、子会社が変なことで公害やクレームを出したりしたら困りますから、子会社の製品やクレーム対応などの分析は協力しているはずです。
なので、普通の会社であれば、粉体や粉塵などで、消費者や周りの住民からクレームが来れば、速攻で分析してある程度のめぼしはつけているはずなんですよね。
そして、もしそれが消費者や住民を安心させるデータであれば、すぐそれを出して、話し合いで解決しようとするはずだと思います。

もし私が企業側のクレームに対応する必要のある立場だったとして、もし消費者か近隣の方から、お宅の製品や関連のある場所から粉が飛んできて迷惑している、製品から粉が出る、などあったら、まず現場に行って、迅速に現物を採取し分析すると思います。
集める方法は、集じんするなり、ろ紙やシャーレなど置いて降下物を集めるなどして、粒度分布、電顕、組成分析をすぐします。
それで、自分の会社が関係ないという結果であれば正直に話すし、迷惑をかけているという事であれば、すぐいろいろな対応、対策などになるはずです。

もし私が消費者や近隣住民で、製品やどこかの工場や工事現場から粉が飛んできて迷惑を受けていたら、まず証拠となるものを集めてとっておいて、文句を言うと思います。
その証拠となるものは、土でも掃除機のごみパックでも、水で洗った木綿などの布で拭いたものでもとっておきます。
写真がとれるなら取っておきます。
そして、その証拠となるものを誰かに渡す場合、必ず全部渡さず、半分手元にとっておきます。
もしそれが、企業の粉粒体などの製品に係るものなら、「SDS見せてください」と言います。
SDS:安全データシート(Safety Data Sheet)

製造業などの企業〈グループ、業界含む〉は、消費者や近隣住民に偽りの情報を流して、騙すことがあります。
実際に過去に例もあります。
昔、実際に私もそんな話を関係者から聞いたこともあり、これはばれたら大変なことになるだろうなと思ったら、実際に数年後に暴かれて新聞をにぎわせ大問題になったこともありました。
悪いことは隠しきれないものです。
関係者の方も、全部の情報を外に漏らさずにいることなど不可能です。
作業員の方が酔っぱらって友人に話すかもしれません、その友人がまた同窓会の3次会で話すかもしれません。

もし、これを読んでいる方が、身の回りの何かの製品、工事現場などで、訳の分からない粉のようなものが飛んできて、あれ?、おかしいぞ、と思ったら。
それについて文句を言った先の企業は、数日後にはもうそれに対するほとんどの分析結果をそろえていると私は思います。
あるいはもう他にも何度も同じようなクレームがあって、それについてどう対応するか話し合っているのに、初めて聞いたような顔をするかもしれません。
企業は結構な分析能力を持っているのに、その情報を消費者や近隣住民には全部出さないんですよね。
こういう姿勢はどんどん改めていってほしいと思います。
(放射性物質に関する、測定や産地情報なども似たようなことがありそうに思います)

粉体は一度吸い込んでしまえば、肺に残ってしまうものがあります。

知らないでたくさん吸いこんでしまうのだけは避けたいものです!!!!!


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